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大阪大学大学院 姫野海里さん
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平成18年普通科卒業。大阪経済法科大学経済学部を経て、平成23年4月に大阪大学大学院に進学。現在同大学院経済学研究科にて「開発経済学」を研究している。
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星翔高校での学びを基礎に進学し、現在大阪大学大学院において「開発経済学」を研究している姫野海里さんに、中谷会長同席の下、お話を伺いました。
(インタビュー:庄山由多加 2012年8月・星翔高等学校LL教室にて)
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――高校生活はどうでしたか
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どちらかというと勉強に真剣に取り組んだ記憶はありません。休み時間にゲームをしたり、自習時間に友達と遊んだりと、ごく普通の高校生活でした。逆に言うと、とても誇れるようなものではありませんでした。
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――進路について考えたのはいつですか
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三年生になった際に、現実的に自分の将来を考えるようになりました。先生のご指導もあり、資格取得に強い大阪経済法科大学に指定校推薦制度を利用して進学しました。実は経済学に興味があったわけではなく、資格取得に強い学校という一点のみで選びました。
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――大学時代についてはどうでしたか
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入学当初は会計士を目指して勉強していました。しかし色々な経験を経て三回生後半で転機を迎えました。貧困国が貧困から脱却するためにはどうするべきかを研究する分野である「開発経済学」を学び、面白みを感じたことです。
アフリカの貧困脱却は無理だという声も耳にしますが、深く学び出すと現実的には可能であるということを知りました。確かに色々な障壁があることは事実ですが、それがどのような障壁なのか色々な研究がされており、貧困から救う手立てはあるのです。では実際にはどのように救えるのかということを学び、楽しさを知りました。
また、私が塾講師として指導している小学生から高校生と同世代の人間までもがアフリカでは殺しあっている現実があります。これをなんとかできるのであれば、自分の命をかけてやってみるのも面白いのではないかと思いました。
そして親に「この道に進みたい」と相談したところ、会計を学んでいる以上は資格を取れという課題を出され、最終的には三回生で簿記一級を取得してその課題をクリアしました。
その後、大学院試験までの半年間、数学がほとんどできない状況からのスタートでしたが、様々な人々の支援により「学びなおし」を始め、大阪大学大学院に合格しました。
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――大学院では何を研究されていますか
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「開発経済学」を研究しています。貧困で非常識なぐらい脆弱な国を経済的観点から救済するための学問分野です。中でも、私は「感染症と人口成長」について研究をしています。
感染症が蔓延している国では人間がたくさん亡くなります。更には死ぬ確率が高いので、「保険」として子どもを多く生む傾向があります。その結果、もともと貧困であるのに、人口過多によってひとりひとりにかける教育の費用がなく、学ぶことのできない子どもがたくさん出てきます。そのため、大人になっても職がなく稼ぎが少なくなるという負のスパイラルが起きます。
感染症が、彼らが貧困国であるひとつの所以ではないかと私は着目しています。
この分野は疫学をはじめ様々な分野の枠組みに重なっており、現在様々な教授に師事し、研究を深めています。
疫学と経済学は一見して関係ないように見えて、実は関係があり、経済学分野で研究できるとは当初は思っていませんでした。
現在私が考えている視点で研究を進めている研究者が他にはいないため、とてもやりがいがあり楽しいです。
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――将来はどのような展望を持たれていますか
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最終的な目標は、アフリカの大学や研究機関に拠点を置き、正しい経済学の指導を行い、彼らが政策立案できる環境を現地で作ることです。
日本は他国に比べて異常な位裕福な国です。裕福な国の人間が偉そうに指導をしても、貧困国の人間の心には全く響きません。ですから、彼らの国の人間が、彼らの国の文化や思想そして環境を踏まえて立案すべきです。そのためには、現地で立案できる人間を生み出す手助けを進めたいのです。
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――星翔高校で後輩の進学指導を行われているそうですが
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自ら志願して、現在進学指導のお手伝いをしています。
モチベーションが高い生徒は勿論、現状モチベーションを維持できていない生徒は学ぶ知恵を持ち合わせていない場合があり、それを拾い上げるお手伝いをしています。
受験の勉強と合わせて、プログラミングも希望者を募って講座を開講し、企業と連携してアプリやウェブサービスを実際に作る予定です。
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進路指導を受ける後輩たちと一緒に (中央左・姫野さん 中央右・中谷会長) |
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――最後にひとことお願いします
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同窓会を盛り上げるには、卒業生の皆さんが現役の生徒に自分たちの経験を基に指針や進路を示す視点も重要です。是非卒業生の皆さんには、母校に興味を持ち、卒業生の立場から積極的に生徒や学園と関わりを持っていただければと思います。
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